来月で1型糖尿病歴31年目。長かったようで、早かったようにも思える1型糖尿病30年生。
そんな30年生が過去を少し振り返れば、自分の糖尿病の治療は劇的にとまでは言えないけれど、若干は変化してきたように思う(変化していないことといえば、いまの2017年4月時点では、1型糖尿病はまだ完治はしない、である)。
インスリンは、かつてN(エヌ)やR(アール)しかなかった時代から、いまでは超速効型インスリンや、安定した作用の持効型溶解インスリンも発売されている。
血糖測定器においては、測定まで3分かかっていた時代から今や5秒の時代に突入。おまけに、血糖値は、点ではなく、線、つまり24時間連続して測るCGM(シージーエム)とかFGM(エフジーエム)の時代に突入していくのではないか、とさえ思える。
測定器
もちろん、血糖測定器の変化は測定時間だけではない。痛い穿刺をして出さねばいけない血液量も、最近のものは昔に比べてかなり少なくなった。そして機械は小さくなったし、軽くなった。
血糖値をコントロールするための血糖測定器である。ただ、もはや限界とも思えるくらいまでに、測定時間は短縮し、機械も小さくなって、重量も軽くなっている中、それでもなお新製品が発売されている。果たして、それはなぜなのか・・
測定器に挿してあるチップやセンサーが新しいものに
僕も含めた1型糖尿病患者さんから見れば、まだまだ高い値段を維持しているのが血糖測定器のセンサー(チップ)だ。
これは切実な問題だ!
ただ、そんな中でも、新しいセンサーは新発売している。では、新旧のセンサーで何が違うのか、と言うならば、新発売されたものは、より質の高いセンサーになっているのである。
血糖測定器のセンサーは、血糖値を測定するまでに、様々な干渉物質の影響を受ける。血液にあるグルコースだけでなく、血液にあるヘマトクリットだとか、酸素などの影響も受ける。
そう、影響を受ける物質はいろいろある。そして、それらの物質による影響のために、グルコース値(要するに血糖値)が本来よりも高くなったり、低くなったりしてしまうのだ。こういうのを偽高値、とか、偽低値と呼ぶ。詳しく知りたい方はお使いのセンサーの、綺麗にたたまれた添付文書を見るといいかもしれない。
だから、できるだけ、干渉物質からの影響は少ないほうがいい。そのために、正確なグルコース値を測れるセンサー(チップ)が新発売されているのだ。
センサーの値段
1型や2型のインスリン依存の患者さんが国民皆保険を使って、病院やクリニックでセンサーを処方してもらう場合、価格は同じである。だから、新しいセンサーをもらっても価格のデメリットは全くないだろう(2017年4月現在)。
しかし、保険適用よりも多くの血糖値を測った場合、センサーが足りなくなるから、センサーを自費で購入することになる。そうなった場合、できるだけ安い価格のセンサー(チップ)を購入したくなるものだ。しかし、新発売のセンサー(チップ)では高コストとなる。では、どうするか。測定器のいま(2)に続く・・
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