退院した次の週のこと。くしょん、くしょんとくしゃみが始まり、おまけに鼻水はタラーッとでてしまう状況だったので、10分に1回くらい鼻をかんだ。間違いなく花粉症の症状だったから、なにも心配はしていなかった。だから、昼は骨折のリハビリのために、買い物に行ったり、自動車の運転をした。
しかし、夕方になると、疲れがどっとでて、まるで地震がおきたように、めまいを覚えた。人生で経験したことのないくらいのめまいだった。これはまずい…
シックディの始まりと血糖値の動き
退院してからの血糖値もいやに高かった。フリースタイルリブレで測れば、常時200mg/dL以上の血糖値で、正常値に僕の血糖値はまったく入ることがなかった。そして、なんどもなんども、ボーラス(Bolus)の追加インスリンを打つものの、血糖値はなんの反応もみせず、最悪の場合には250mg/dLオーバーだった…いやな予感がした…
まさかシックディ?
そんなシックディに入ると、何もやる気は起こらず、食事を食べるのも面倒だった。だから食事は食べなかったけれど、インスリンはきちんと打った。
高い血糖値は、ほぼ直線で推移
それでも血糖値はビクとも動かない。250mg/dL付近を水平飛行していた。インスリンを打っても打っても、血糖値は高いところで水平飛行を続けた。本来なら食事を食べれば、血糖値は上がり、インスリンを打てば血糖値は下がる、という理屈など通用しないのが、シックディのときではないだろうか。
そのため、骨折で入院したときにBasal(ベーサル)を驚異の3倍に増やした経験もあって、あまりに下がらない血糖値にBasalを2倍のレートにした。
つまり、インスリン注射をしている人ならば、20単位打っている持効型インスリンを40単位に増やすことになる。ちょっと怖かったけれども。
それでも、思ったように血糖値は下がらなかった…まるで、インスリンなど効かぬ体になってしまったようだった。なので、すべてをあきらめて、とりあえず、寝まくった。
シックディからの回復期と血糖値
だいぶ、体調が回復してくると、今度は激しい上下動に襲われる。下は60mg/dLぐらいから、上は300mg/dLオーバー。食事を食べてインスリンを打てば、激しく血糖値は乱高下した。もう、僕の力ではどうにもならないので、すべてをあきらめて眠った。ブドウ糖だけ、枕の近くにおいて…
そして、シックディから回復すれば、もちろん、今まで打っていた2倍のBasalのインスリン量では多過ぎて、低血糖が頻発する。そのため、今まで通りの量へもどす。これで、今回のシックディは終了となった。
だけど、血糖値250mg/dLオーバーの日々を1週間も続けてしまったら、HbA1cは7%を切ることなどまずないだろう。せっかくの入院生活で、HbA1cが驚異の6%台になったのだが…
つまり、1型の血糖値というのは、それだけ管理が難しい、と僕は言いたいのである。