記事を書き続けて、おかげさまで1年が経つ。そのあいだには、様々な読者の方々から、色々なご質問やご意見を頂いた。読者のご相談、というタイトルでダイレクトに回答したものもあれば、記事の中でソッと書いたこともある。だから、すべてのご質問へ回答はさせて頂いた。

興味深かったのは、糖尿病を持っている患者さんからのご質問もあれば、そのご両親からのご質問もあったことだ。割合としては半々ぐらいだった。だから糖尿病患者さんのみならず、ご両親たちも同様に、糖尿病への悩みを抱えているのである。

僕の1型糖尿病は、中学生のときに始まった。最初の3年間は、とにかく慎重に学校生活を送ったように思う。

冷や汗がでれば、これは低血糖の症状ではないだろうか。

黒い小さいゴミ粒みたいなものが見えれば、糖尿病性網膜症の症状ではないだろうか。

自分の体調の変化を事細かに観察しながら、また、何か変化があれば、多少の不安を抱えた。そして、暗中模索で1型糖尿病と生活をした。

そして、最初の3年が過ぎると、徐々に、徐々に、自分のやりたいことをやるようになった。低血糖も、血糖値を測らずある程度は把握できたし、インスリンの注射も人前で打つようになれた。当時は、シリンジの注射器しかなかったけれど・・(笑)

そして、ここら辺から、僕は血糖測定をしなくなっていった(今考えると有り得ないことだけど、当時は仕方なかった)。血糖値なぞは、なんとなく感覚でわかる、という考えが身についたからだった。また、当時の血糖測定器は、結果がでるまでに1分以上もかかったから、正直、持ち歩くのも面倒になっていったのだった・・

そのうち、HbA1cなぞは9.0%というのが当たり前になって、この数値を見てもあまり驚かなくなった。

まあ、しょうがないか。

当時(だいたい20年以上も前)、HbA1c9.0%はpoor controlと呼ばれていたけれど、僕はあまり気にしなかった。だって、普段通りに生活していたら、HbA1cを8%以下にするなんて、ほとんど無理だもん・・

もちろん、HbA1c9.0%では、ときどき合併症の不安には襲われた。けれど、Drに注意されても、親に言われても、無理なものは無理だ、と僕はきっぱり諦めた。そして、なんとなくの雰囲気でインスリンの単位を決めて、なんとなくの自己感覚血糖測定に頼ったのだった(笑)

きっと、僕のDrも、親も、そして僕自身も、HbA1c9.0%へ不安を感じていた。しかし、どうにもならん、というのが患者としての僕の意見であったし、何とかしたい、というのが周りの人の意見だったろう。

しかしながら、あのときの僕では、どうにもならなかったように、今のぼくは思う。

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