血糖測定器が目の前にある。その血糖測定器で血糖値を測る。そして、表示された血糖値は300mg/dlだった。まさにその瞬間、糖尿病であるあなたは、次にいったい何を考えるだろうか。何をパッと思いついただろうか。
食べ過ぎた食事のことなのか。
運動のことだろうか。
インスリンのことだろうか。
もし、あなたが糖尿病患者でない場合も、同じように考えてみてほしい。目の前の血糖測定器で測った血糖値が300mg/dlと表示している。その血糖値を見て、あなたは何を考えるだろうか。
1型糖尿病である僕にとって、血糖値というものは健康における「成績表」のようなものだった。血糖値が高い、ということはすなわち、成績が悪い、とパッと浮かべてしまう。そんな悪い成績は、今まで誰にも見せたくなかったし(正直、担当のドクターにさえも)、知ってほしくはなかった。放っておいてくれ、どうせ俺の血糖値なのだ。
僕は300mg/dlという数値を見ると、だいたいこのような思考パターンになる。
血糖値が300mg/dl。
すなわち、高血糖である。
高血糖になった原因(食事、運動、インスリン)って何?
いまいち良くわからない。
悩む。不安にもなる。
まあ、インスリンを打っておこう。
ここで、おおかた僕の思考は止まる。だって、これ以上、高血糖の原因を探したところで、何もわからないからだ。高血糖になれば
食事を食べ過ぎたのか、運動不足なのか、インスリンの量が間違っていたのか、を疑ってはきた。けれど、どうもそれだけでは割り切ることができない高血糖が僕にはある。
1日中、ずーっと血糖値は200mg/dlを超えたりする日があった。インスリンを打っても打っても、血糖値が下がらない。前回話したシックディの時を除けば(僕はシックディの時に血糖がまったく下がらなくなる)、高血糖の原因は、あきらかに食事でもなく、インスリンの量でもない何かが影響しているのではないか。
低糖質の食品が血糖値を上げにくい、という理屈はもちろんわかっている。「糖質を制限すること」が「カーボカウント」ではないことももちろん知っている(間違って理解している人もいるだろうけれど)。インスリンが血糖値を下げることだって知っている。しかし、インスリンの単位(量)を増やしても血糖値が下がらないことがある、ということも経験を通じてある程度は知っている。
高血糖になる第3のファクターとはいったい何だろうか。僕は考える。そして、ひとつの答え、みたいなものにたどり着く。血糖値が高い時の気持ち・・(2)へ続く。
追伸:あなたは血糖値が300mg/dlだったら、どう思いますか。なにを感じますか。ご意見をお聞かせください。ご意見はこちらからご投稿出来ます。