今まで、インスリンポンプについての記事はいろいろ書いてきた。現在、日本では大きくわけて2種類のインスリンポンプが使用可能である。ひとつは、最新のインスリンポンプである。CGMという24時間血糖値を測定してくれるものがついており、現在の血糖値はもとより、過去の血糖値もグラフで画面表示してくれるのが特徴だ。SAPと呼ばれるインスリンポンプである。
ただ、世界で販売されている最新のSAPと呼ばれるインスリンポンプは、低血糖になると、自動でインスリンの注入をストップしてくれる機能がついている。日本に導入されているインスリンポンプには、この機能がついていない。
SAPの費用
月1回の受診で、検査費用や血糖測定器のセンサーやチップなども一緒にもらえば、約30000円以上の費用はかかる。そのため、高コストなインスリンポンプではある。
CGMのついていないインスリンポンプと費用
SAPと違い、CGMがついていないインスリンポンプもある。こちらは血糖値の表示はないものの、SAPと同様に、より人間の膵臓に近いかたちでインスリン注入をしてくれるインスリンポンプである。費用面では、1ヶ月の金額(検査代や血糖測定測定器のセンサーも含めると)、約15000円以上はかかることになる。
今、カチカチ回すインスリン注入器で、1日に頻回注射(MDIとも呼ばれる、略はMultiple Daily Injection)をしている人にとっては、1ヶ月の受診料と薬剤代の領収証を見てほしい。どちらの方がコストが安くなるのか、慎重に検討が必要である。
ちなみに上記のインスリンポンプの金額にはインスリン代は含まれていない。
インスリンポンプで学んだこと
インスリンポンプを初めて装着してから11年が経つ。もちろん、慣れればMDIに比べてインスリンポンプの方が明らかに利便性は良い。わざわざ、トイレに行ってインスリンを注射することもなくなる。
風呂やシャワー
インスリンポンプは常時、体につながっているという情報から、風呂やシャワーに入れない、または入るのが面倒、と思いがちであるが、面倒なく気軽に風呂やシャワーにも入れる。
そして、インスリンポンプを装着してから僕はいろいろなことを学んだ。インスリンを1単位打てば、どのくらいの僕の血糖値が下がるか、というインスリン効果値や、食べる食事の炭水化物量からインスリンの単位を決めるカーボ比、などを含めたカーボカウント、そしてボーラスウィザードの使い方など。導入した最初のころは、取扱説明書が破れるほど、必死で読んだのを覚えている。
ただ、その中でも、一番大きな気づきとしては、
「打つ部位(お腹とか太ももなど)によって、血糖値の動きが激しく変わること」
だったかもしれない。これは、頻回注射(MDI)の時には、あまり気づかなかったことだ。なので、インスリンポンプから学んだことはいろいろと多い。