1型糖尿病患者さん(もちろん2型糖尿病患者さんも含めて)にとって必要不可欠なインスリン。インスリンは血糖値を下げてくれるので、その結果、健康な人と同じ血糖値とまではいかないまでも、健康な人の血糖値へ近づけることはできる。
そして、そのインスリンを体内に入れる方法は、2つある。ひとつめは、従来の方法でもある
インスリンを打つときに、注射で体に入れる方法
今では、写真のような注射器具(右手に握っている注射器具)が主流になっており、インスリンの量を決めて、写真のように親指で押すと、針の先からインスリンが出る仕組みになっている。
写真のような注射器具がない時代は、シリンジと呼ばれる注射器でインスリンをびんから吸って注射をしていた。
そして、インスリンを体内へ入れるもう一つの方法は
インスリンポンプ
インスリンポンプだと、常時、体とインスリンポンプという医療機器がつながっている状態なので、食事ごとにわざわざ、注射針をブスッとさす必要はない。
僕の勝手な個人的な意見ではあるけれど、1型糖尿病患者さんがHbA1cを楽に下げたいならば、インスリンポンプはおすすめである。
ただし…インスリンポンプに使い慣れる必要がある。使い慣れてしまえば、わざわざインスリン注射の際に、トイレに行って注射などする必要はなくなり、食事のときにも、ポンプのボタンを数回押せば、だれにも気づかれることなく、インスリンは体に注入される。便利である。そして、僕の経験談でいえば、HbA1cも見事に下がる。特にインスリンポンプを導入したての数年は。
皮膚感染
ただし、デメリットもある。体に2〜3日連続装着したままのため、皮膚感染が起きることがある。たとえば写真のように、皮膚が赤く腫れ上がって、下手をすれば2週間以上治らないことがある。こういう皮膚感染はインスリン注射では起こらないデメリットだ。
もっとも、この僕の経験談とは全く違った経験をしている人も沢山いることと思う。ただ、迷っている人がいるならば、一度試してみるべきだと僕は思う。こういった皮膚感染のリスクとインスリンポンプ導入によるHbA1cの低下を照らし合わせてみて、それでもダメならば、また元のインスリン注射へ戻せばいい。
そして、コスト面も重要だ。現在、SAPと呼ばれるポンプにはCGMという24時間血糖値を測ってくれる医療機器も付いている。だが月々の医療費は高額で、検査費用や血糖測定器のセンサーやチップなども一緒にもらえば、約30000円以上になる。
高いっ!という人におすすめなのは、24時間血糖値を測ってくれるCGM機能がついていないインスリンポンプ。これなら医療費はSAPに比べればだいぶ安くなる。インスリンポンプと検査費用でだいたい13000円といったところだろうか。(血糖測定センサーは除く)。
どうだろう。インスリン注射で頑張っている1型の患者さんが見ていたら、参考にしてもらえると幸い。ちなみに今の僕は、CGMなしのインスリンポンプを装着している。