僕は、なぜだか円形脱毛症になりやすい体質なのかもしれない。今も、半径2cmぐらいの円形脱毛症は、右耳の上ぐらいの位置にある。
以前、海外にいた時にも糖尿病のドクターへ円形脱毛症を申告したことがある。
Oh, you lose your hair!
とドクターは言った。その後に、1型糖尿病の患者さんは円形脱毛症を持っている人が多い、とそのドクターは付け加えた。
けれども、今、治療に行っている日本の皮膚科の先生曰く、
「1型糖尿病と円形脱毛症はあまり関係ないと思いますよ、同じ自己免疫疾患だけれど」
うーん、なんとも理解に苦しむ僕の円形脱毛症。
若いころにも、一度、円形脱毛症にかかったことがある。その時は、何の治療をしなくとも半年程度で勝手に治ってしまった。けれど、今のものは5年間も僕の右の耳上にずっと存在している。500円玉よりも少し大きい円形脱毛症。大きくもならず、小さくもならずに。
そんなわけで、いい加減、しつこい円形脱毛症には退散してもらおうと皮膚科に行った。500円玉の禿げた皮膚に注射を刺してもらって、ステロイドを注入してもらった。5年間も円形脱毛症と一緒にいると、一生治らないような気がした。けれど、注射のおかげか、髪は徐々に徐々に生えだしてきたのだった。
「この注射が見事にヒットしましたね」
と皮膚科の先生は言った。正直、小さくなっていく円形脱毛症に僕もびっくりした。円形脱毛症に悩む1型糖尿病の患者さんがもしいたら、こういう治療の方法もある、ということを伝えておきたい。だって、普段の生活では話せないようなナイーブな問題だから(笑)
それと、今、足のふくらはぎには、おできみたいなものが出来ていた。最初は、にきびぐらいのサイズだったけれど、どんどん膨らんでいき、半径1cmぐらいのものになった。おまけに痛い・・
そんなわけで、このおできも皮膚科の先生へ見せた。先生はひとしきり、このおできを触って僕に言った。
「腫瘍だと思います」
えっ、腫瘍ですか。腫瘍はガンではないのか。となると皮膚ガン?僕は出来る限りの推察をして、ちょっと不安になった。