超速効型のインスリンはいまだにバイアル製剤を使って、シリンジの注射器に入れている打っている当方。
1型糖尿病になってからというものの、血糖値を良好に保つためにはインスリンそのものが必要不可欠だ。そんなことは誰だって知っている。では、インスリンさえ打っていれば血糖値は良好であるのか、という問いがあるならば、実はそうでもない。
インスリンを打てば血糖が下がるならば、より多くのインスリンを体内に注入したほうが血糖値は下がりそうである。しかし、僕の経験上だと、実はそう簡単な問題ではない。インスリンを多く打ったことによって血糖値が下がり過ぎると(つまりきつい低血糖を経験したとき)、その反動で、その後の血糖値は上がり過ぎてしまって、下がらなくなることがある。
僕の経験だと、昏睡が起こりそうなきつい低血糖を経験したりすると、その後、2,3日は高血糖のまま下がらなくなってしまうのだ!
こうなると、血糖値を下げるためのインスリンは、もちろん本末転倒となってしまうのだった。
そして、僕は病歴が浅かったころに、このような、つまりインスリンありきの1型糖尿病の治療をしていたように思う。
けれど、病歴が経つにつれて、血糖測定のほうが大切なのではないか、という思いに変わりつつある。要するに、インスリンを打つ前に、きちんと血糖測定してからでないと、インスリンの単位もバチっと合わせることができないためだ。
インスリンの単位をきちんと見極めること
低血糖も起こさず、高血糖も起こさないインスリンの単位を知るためには、まず血糖測定する必要がある。血糖値が100mg/dLと、300mg/dLでは、打つべきインスリンの単位数はもちろん違う。300mg/dLのときだからといって、インスリンをやたらに多く打ってしまえば、その反動でまた、300mg/dLに戻ってしまうことだってあるから、インスリンの単位は、とても大切なのである。
もちろん、最新の医療機器である、CGMやかざすだけのFGM(フラッシュグルコースモニタリング)を使えば、リアルタイムで血糖値の変動がわかるから、インスリンの単位が多かった、とか、少な過ぎた、など反省する材料にもなる。ただ、最新の医療機器も、まだまだ全ての1型糖尿病患者さんへ普及しているとは言い難い。
それでは、どうするのが良いのか。
やはり血糖測定器に頼るのが良い。食事前に血糖値を測って、インスリンの単位を決めて、食後にも血糖値を測る。インスリンの単位が合っていなければ、食後の血糖値は、低い血糖値かもしれないし、高い血糖値になるかもしれない。ただ、血糖測定をしていれば、インスリンの調整も徐々に合ってくるのではないだろうか。カーボカウントを使ってさえ、もちろん試行錯誤だけれど(笑)