全身麻酔と意識

全身麻酔をした僕の意識はすぐになくなり、そして、すぐに目覚めたように感じた。しかし、実際には麻酔をしてから、かなりの時間がすぎていた。

意識が回復した僕の体からは、汗が滝のように流れて、両肘の内側の筋肉が張っていて、かなり痛かった。肘を伸ばせば、思わず、いてててとうめき声をあげてしまったのだった。

そして、この目覚め方(という呼び名が正しいかどうかわからないけど)は、ひどい低血糖昏睡を起こしたあとの意識の回復にとても似ているように感じた。意識を失っているときには、体が硬直?していたようで、意識が回復してから、肘の関節を伸ばすと、とにかくあちこちが痛いのだ!

そして、手術台の上に乗った僕が目を開けると、執刀した主治医の顔が見えた。

「無事に終わりましたよ〜」

とのこと。

手術にかかった時間

先生、今、何時?と僕が聞くと、

「18時過ぎです」

手術時間が、予定よりも大幅に過ぎていた。そのためか、手術室前で待っていた僕の母、嫁さんと娘が、少し疲れた様子で手術台の僕を見ていた。

「手術は成功しました!って先生がおっしゃってました。よかったですね。」

と嫁さんの言葉が聞こえてきた。

ありがとう、あの階段からの転落でこんな手術になるとは思わなかった・・

僕はできる限り大きな声で嫁さんに伝えた。ただ、骨盤骨折のために開いたお腹の傷は、かなり痛かった・・。そして、おおげさかもしれないけれど、1型糖尿病を持っている僕が、こういった長い時間の手術に耐えられるとは思ってもいなかった。

インスリン製剤

そして、その後、僕は集中治療室であるICU(ICUとはIntensive Care Unitの略らしい)に移った。手術後、まだ、インスリンポンプをつけていない僕のインスリンは(つまり血糖値の管理も)、看護師の注射で補われた。

インスリン製剤は、超速効型ではなく、Rと呼ばれるレギュラーインスリンを注射された。僕にとってレギュラーインスリンは、やや古いインスリン製剤という認識があったけれど、術後やケトアシドーシスの際の血糖管理には、このレギュラーインスリンが使われるのだ。

この点は、驚かされた事実だった・・・

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