インスリンの効いている時間は、薬剤によって違う。薬剤は、大きく分けると超速効型、持効型であり、超速効型は食事の際に打つインスリン、持効型は効き目がながいインスリンで24時間効いているとされている。
速効型、中間型、混合型のインスリンもあるけれど、ここでは省略させて頂く。インスリンの注射ならば、1日4回(持効型1回+食事の超速効型3回)打ちをしている人がほとんどだろう。中には5回打ちや6回打ちなどもいるとは思う。
もし、自分が使っているインスリンの作用時間を調べたければ、インスリンの箱に入っている綺麗に折りたたまれた紙(添付文書)を読むのがお勧めである。ちょっと難しい文書だけれども、インスリンメーカーが作っているものなので、嘘偽りは全くない。
インスリンの作用時間は知っておくことが肝要。昔の持効型インスリンは、24時間の効力はないかも、と言われた時期もあった。しかし、ここでは持効型インスリンのことは放っておく。注目すべきは、食事の時や血糖を補正するために打つ超速効型インスリンに的を絞る。
たとえば、僕が食事をしたとする。カルビスープと白いご飯とキムチだとする。食前の血糖値はいたってノーマルな100mg/dl。自分で決めた単位の超速効型のインスリンをブスッと打つ。超速効型の作用時間は3時間〜5時間とも言われている。
その2時間にコイケヤのポテトチップのりしおが食べたくなったとする。念のため、血糖を測れば354mg/dlだった。正直、高い。ちょっと凹む。なぜこんなに高いのだ・・
だけど、目の前のポテトチップが僕を呼ぶ。バリッと袋をあけてむしゃむしゃ食べる。もし僕がインスリンの作用時間を知らずに、カーボカウントも使っておらず、インスリンポンプも使っていないとなるとインスリン単位の決定はかなり悩む・・
ただでさえ、354mg/dlという凹む血糖値を見れば、直感的にインスリンは増量したくなってしまう。おまけにポテチを食べれば、インスリンも打たなきゃならない・・でも、いったい何単位打てばいいの?と高い血糖値と食べたポテチに懺悔する。
自分の感覚でインスリン単位を決めている人へ、まず打っているインスリンの作用時間を覚えておくことを僕はお勧めする。ようするに、食事を食べてから3時間以内(超速効型がまだ効いている時間)に再度食事をするときには、慎重にインスリン単位を決定したほうがいいからである。また
3時間以内には追加で食事を食べない、という選択肢もお勧めである。
しかしカーボカウントを学べば、食後の2時間以内のポテチでも、いちおう論理的にインスリンの単位を決定することができるのだけれど・・