病院に入院したりすると医療者の方々から「DM患者さん」という言葉をよく耳にする。このDMというのはDiabetes Mellitusの略であり、その略でDMと呼ばれている。最近では、Mellitusが省略され、Diabetesが糖尿病と認識されるようになったが、MellitusをOxford dictionaryで調べてみた。

DM(糖尿病)

するとMellitusというのは、もともとラテン語のsweet(甘い)から来ている単語のようである。

Origin
Mid 16th century: via Latin from Greek, literally ‘siphon’, from diabainein ‘go through’; mellitus is from Latin mellitus ‘sweet’.

出典元:https://en.oxforddictionaries.com/definition/diabetes

一見英語かと思いきや、DMという言葉はラテン語が起源となっているのだ。

DMにはIDDMとNIDDM

DM(糖尿病)はIDDMとNIDDMという二つに別れている。ひとつは、IDDM(Insulin dependent Diabetes Mellitus)、つまりインスリンに依存(を注射)している状態で、もう一方はNIDDM(Non Insulin dependent Diabetes Mellitus)、インスリンに依存(を注射)していない状態である。

そのため、当方が糖尿病と診断された30年以上も前であるが、病棟での教授回診時に先生は

「こちらはIDDM患者さんです」とか

「こちらはNIDDM患者さんです」

というような具合で、教授へ紹介していたのを覚えている。

現在の主流は1型、2型

当方は訳あって、イギリスで2年間生活していた。イギリスでは、一般的には開業医と呼ばれるGeneral Practitioner(GP)や、プライベートの病院にも受診したことがある。

受診時のDrとのやりとりでは、IDDMと呼ばれることは皆無であり、やはりType1 diabetic (タイプワン ダイアベティック)と呼ばれた。

またADAと呼ばれるアメリカの糖尿病学会では、混乱を招くとしてIDDMとNIDDMは昔に削除された。そしてIDDMや若年型(小児)糖尿病は1型糖尿病に代わり、NIDDMや成人型糖尿病は、2型糖尿病に代わったのだ。

今回、難しい内容のものが入ってしまったけれども、糖尿病の歴史を知る上では、とても大切な事実だと思う。

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