不眠と聞くと、一体何を想像するだろうか。

さあ寝床にはいって、布団をかぶっても眠れない不眠だろうか。それとも、夜、高血糖のためか尿意をもよおして、トイレに行ってから眠れなくなる不眠だろうか。

不眠、と一言で言えども、実に様々な不眠があるようだ。僕は、1型糖尿病を長く患う、つまり病歴が長くなってくる、と不眠という合併症が発症しやすくなるように思うのだ。僕の不眠は、発症後20年くらいしてから始まったようだ。

不規則な眠りと血糖値

たとえば、僕が1日全く眠らない日があったとする。ないしは、寝る時間が不規則(例えば昼夜が逆転)になってくると、血糖値の変動が変わる。つまり、ある程度の幅で動いていたいつもの血糖値が、不眠や不規則な眠りのために乱高下するようになって、その結果、低血糖と高血糖が多くなる。

だから徹夜した次の日に低血糖昏睡が起こりやすく(肝臓からの糖新生が少なくなるためなのか?)、僕は昔、徹夜明けによく低血糖昏睡を起こし病院に運ばれたのだった…病院の救急室で起きたときの罪悪感、Oh、懺悔の低血糖昏睡、医療者の人すいません。

眠るための薬

かなり厄介な不眠に悩まされている一方、最近、なんども睡眠外来に通っているおかげで、薬もだいぶ自分にあったものになってきている。睡眠外来に通ったときには、本当に様々な薬を試してはみたけれど、どうもいまいち、睡眠が改善しないように感じた。

しかし、根気強く、糖尿病診療と同じく月に1回、4年近く通い続けたおかげで、最近の睡眠はだいぶ改善してきているように思う。つまり、睡眠が改善してくれば、血糖値の乱高下は少なくなり、少しはHbA1cの改善にもつながる。

リブレやインスリンポンプのCGMのおかげで

睡眠時の血糖値はもちろんのこと、いろいろな状況での血糖値の把握が可能になった。

たとえば、僕の場合、シックデイでもないのに24時間続くわけのわからない高血糖がある。インスリンポンプのBasal(基礎レート)を追加で上げても上げても下がらないときがある。

そんなときは、インスリンポンプの消耗品を変えることで、すぐに血糖値が下がったりする。インスリンを打っても打っても血糖値が下がらなかったあの高血糖はいったいなんだったのだ、と思えたりする。

こういうことがあると、利便性を上手に活用しながら、そこに甘んじることなく色々な角度から物事をとらえることで糸口が見えてくるのだと気づかされる。

この気づきを他のことでも活かせていければ、1型を持っていることを少しでもプラスに活かせるのではないだろうか。そう僕は信じる。

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