その昔、海外にいたころ、北半球の寒い国にいたせいか、昨日みたいな寒い日がよくあった。そして、寒い日になると、僕の家内は必ずこう言った。

「ぜったいにね、あなたの血糖値は、外が寒くなると低くなるのよ」

つまり、暑い日が多いときに僕の血糖値は上昇し、寒い日が多くなると僕の血糖値が下降しだす、と家内は言いたいらしい。そんなことは絶対にない、と僕は言い返す。運動して大量に汗をかく暑い夏の日ほど、低血糖が多いのではないだろうか、といつも僕は思っているからだ。

ただ、本当にそうなのだろうか。

根拠にとぼしく、感覚に頼った1型の血糖値の議論を、家内とはよくしている。

そして、血糖値がいつも高いと、頭をついついよぎることは、教育入院である。

教育入院

僕の初めての教育入院は1型糖尿病になって3,4年目のときだった。その後、なんども教育入院をしたことはある。

そして、教育入院をつうじて、僕が言える間違いのないことは、

入院しているときのHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、日常生活でのHbA1cよりも低くなる

ということだ。

だから、普段の生活でHbA1cが高い人が、教育入院をするのも、ひとつの良い方法である、ということを言いたい。

けれども、教育入院中のHbA1cが普段の生活でも維持できるかと言うと、そんなに甘くないのが1型糖尿病患者のHbA1cである。

そして2型のHbA1cに比べると、1型のHbA1cは高くなりがちだろうし、血糖値も乱高下しやすい。

そんなことから、教育入院中に、新人の看護師さんに200mg/dLぐらいの血糖値で、

血糖値、高いですね〜

なんて言われるとピキーンときてしまう。

あなたに何がわかるんですか、と僕は心の中で呟く。200mg/dLなんて当たり前の血糖値ですから、1型の僕にとっては…

そして、今回は教育入院ではなかったものの、年末から3ヶ月近くも入院生活を送っていた僕は、退院してからひとつだけやりたいことがあった。

彼岸中日だけど、寒すぎた昨日

入院生活中からやりたかったことは、鍋を食べることだった。

彼岸中日だというのに、昨日はあまりに寒かったので、おもいっきり鍋を食べた。うまかった。出汁をすった白菜やネギなどの野菜や、コメは格別だった。

日本人であることに喜びを噛み締めながら、雪の降る昨日の東京で血糖値を何度か測ったけれど、僕の血糖値はいつも200mg/dLを超えていた(笑)

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