中華料理を食べ始めて、1時間半後くらいに僕は血糖値を測った。たしか、血糖値は180mg/dlぐらいだった。
悪くないじゃないか。
インスリンの単位と、頭が混乱する本物の中華料理の炭水化物量(ほぼ糖質量)を、うまくコントロール出来ているような気がした。そして、調子に乗ったアホンダラに、再びメニューを見る機会が訪れた。そう、食べ物を注文できる順番が回ってきたのだった。
そろそろデザートか・・
メニューのデザート欄を睨むこと数秒。うまそうな文字のデザートたちがメニューに並ぶ。しかし、しかしである。まだ、アホンダラの汚い食い意地は満たされていなかった。やはり、もう一品、何かデザートではない食べ物を注文したかった。
カニの爪の揚げ物
という文字が突然、目に飛び込んできた。エビよりも、カニの噛んだ時の食感が好きなIDDM野郎。すぐに、お店の人を呼んで、カニの爪の揚げ物を注文した。
食の世界の奥行き
その中華料理店のカニの爪の揚げ物は、僕の想像を裏切ってくれた。見事なまでに。
僕の想像したカニの爪の揚げ物は、大きなカニの爪の身に、そそくさっと衣がついていて、噛めばカニの食感が楽しめる揚げ物だった。
しかし、出てきたカニの爪を手で掴み、衣の部分をサクッと噛めば、なにやらカニの爪の肉以外に色々なものが入っていた。
おそらく、刻まれたチャーシューや人参など、カニ以外の副産物が調味料で味付けされて衣で包まれていたのだった。
噛んだ瞬間、驚きとともに、期待以上の食の世界を堪能させてくれたカニの爪だった・・うまい、という表現では表現しきれないカニの爪だった・・
ただ、ここで我に返らねばならなかった・・なぜなら
果たして炭水化物量とカロリーはどのくらいだ?
チャーシュー、人参、カニの肉、そして周りについている衣の炭水化物は・・、と考えてしまう繊細野郎。
うまい食事をしているときに、食品成分のことなど考えると、うまい食事もまずくなる・・計算するのが面倒くさくなってきた・・しかし、だいたいでもカニの爪の揚げ物の炭水化物量だけは目安をつけておかねばならなかった・・悲しき性・・
衣に少しの炭水化物はあったけれど、
面倒くさいからカニの爪の揚げ物の炭水化物量はゼロでいいや
と決め付けた。だから、インスリンの注射も打たずにスルー。2時間くらいしたら、また血糖値を測ればいいや、どうせ揚げ物だから、と独り言をつぶやく満腹上機嫌広東名菜赤坂璃宮野郎だった。このお店はサービスもさすがだった。
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