僕は、中学生で1型糖尿病になったのであるが、1番怖かった時期は、発症してからだいたい2年目くらいまでではないだろうか、と思う。
1型糖尿病と診断されたときは、もちろんショックだったけれど、その後はインスリン治療や血糖測定、食事療法が始まった。いったい、この先、何が起こるのだろうか・・と心の奥底で心配していたのを覚えている。
発症して間もない頃
とりあえず、病院での治療も終わり、社会生活(僕の場合は学生生活)に戻れば、いろいろな不安に襲われた。一つは低血糖への不安であり、もう一つは合併症の不安だった。
1型糖尿病を発症したころ、低血糖は様々なかたちで自覚症状が現れた。冷や汗や空腹感、手の震えなどがあって、特にそれらの症状は気にしていた。そして、そういう症状があったときには、すぐに血糖測定することで対処した。当時は、手の震え(低血糖になっていないか)を確認していたように思う。そうやって低血糖の不安には対処していた。
けれども、合併症の不安はそう簡単に拭いされるものではなかった。なぜなら、
いったい合併症はいつ起こるのか。
わからなかったからである。また、
どのような合併症が来るのか。糖尿病性網膜症なのか、糖尿病性腎症なのか、それとも神経障害なのか。
もし、合併症になったら、どのような自覚症状が現れるのか。
発症後まもないころは、とかく不安なことが重なり、自分の体をよく観察したのを覚えている。
いつ起こるかわからない合併症の不安
合併症が来る時期は、今のHbA1cの状態に左右はされる。HbA1cの状態が悪ければ、合併症は早めに来るし、HbA1cの状態が良ければ、合併症は遅らせることができる。
そして、忘れてならないのは、仮に合併症がきたところで、合併症も治療できるということだ。以前にもお話ししたけれど、HbA1cの状態を改善させれば、合併症も元に戻るということを忘れてはいけない。
そもそも、早期に発見した1型糖尿病患者さんの場合、治療もそこそこやっていれば、そうそうに合併症が起こるとは考えにくい。
HbA1cが8%とか9%
例えば、僕の場合、発症5年目くらいからHbA1cは8%とか、悪ければ9%ということがあった。しかし、合併症(目とか腎臓など)は起こらなかった。10年目、15年目に達してさえ、合併症は起こらなかった。
8%とか9%という、あまり良くないHbA1cを毎月の診察で僕はDrから聞いたけれど、
何も問題はないじゃないか
とは思った。そりゃあ、少しの不安はあったけれども(笑)
なので、発症して間もないころは、いろいろな不安と社会生活との折り合いで、たぶん四苦八苦はすると思う。けれど、あまり合併症のことは心配せずに、普通に生活を送るといいと思う。ただ、低血糖だけは気をつけて。