ちょうど1年前に愛用していたインスリンポンプの治療をやめた。7年も使い続けてきたポンプはとても便利な医療機器だった。食事でのインスリンの注入、それに追加打ち、インスリンを打つという作業をポンプでは他人に断ってやる必要がなかった。おまけに他人にバレずにも出来たからもんだから、ポンプは本当に便利だった。けれども、HbA1cは遂には約9.0%まで達した。
そんなわけで、インスリンの注射に切り替えたのが去年の1月。ポンプの便利さを捨てて、HbA1cを下げることには抵抗があった。けれども、HbA1cが9.0%では将来の合併症も不安。それと、7年間愛用したインスリンポンプにはデメリットも感じていたものだから、思い切ってインスリン注射に切り替えた。おおげさに言えば決死の覚悟。ポンプ治療をやめればHbA1cは9.0%より下がるだろうという確信もあったけど、どこまで下がるのか?は疑問だったかな。
インスリン注射に切り替えて2ヶ月が経つと、HbA1cは7.5%まで下がった。しめしめ、だった。しかし、この7.5%を維持するための努力は相当なものだった。頻回にわたる血糖測定、食事のたびに腹に注射をする面倒さ、おまけに3.5時間後の追加打ち、それこそHbA1cを下げるためだけに生きている様だった。少しでも気を抜けば、ズドンとHbA1cも血糖値も上がりそうな予感もしていた。
しかし、その甲斐あってかHbA1cは7.5%を維持した。よっしゃー。大好きだったインスリンポンプではあったけれど、僕なりに何となくのデメリットは見つけていた。その何となく感じていたデメリットは的を得ていたのではないだろうか、と思う。なぜならインスリン注射ではHbA1cが7.5%まで下げられたわけだから。
それと同時に、僕がやっているインスリン注射では残念ながら7.5%を下回ることは至難の技、ということも自覚した。ちなみに約30年にわたる糖尿病治療で、インスリン注射で7.0%を下回ったことなど一度もない(笑)なので、2015年という年はインスリン注射の限界を感じた年でもあった。
今年もHbA1cの低下を目指して、あらゆる治療に励むつもりである。そして今年は少し色々な活動をしていこうと思う。リアルな活動。そして、このブログを通じて、1型の患者さんだけでなく、1型糖尿病に携わる医療従事者、そして1型糖尿病に対する社会の理解が深まったら嬉しいんだけれど・・