医師「糖尿病のあなたは1日平均750kcalの食事療法でいきましょう!」
ま、まじですか?そうしないと良くならないのですか?
医師「そうですね〜、まあ頑張ってみましょう!」
患者「餓死しませんか・・」
医師「あとは、あなたの体重を見ながらカロリー調整しますから」
こんなやりとりを医師としたら、あなたはどうしますか?たぶん僕なら逃げ出します(笑)だって、1日750kcalって、ごはん2杯食べて、唐揚げ食べたら、はい、おしまい。バランスが良いとされる「カロリーメイト」だって、2箱分でカロリーオーバーですから・・こりゃ、ツラすぎる・・
食事制限の限界はどこまでか?
この食事制限は、まだインスリンが発見されていない1910年ごろの食事療法だった。なんとも、壮絶な話しです。食事制限を怠れば、それは直接「死」を意味することであった。当時は、このくらい大変な病気だったみたいです。また、若年発症の糖尿病患者(恐らく1型糖尿病)の余命は、診断されて1年足らず。そのような患者の苦痛を和らげるために当時は阿片も使われていたらしい。これらの事実は「インスリンの発見(アマゾンへ移動します)」という本(著者:マイケル・ブリス、翻訳:本田 饒、朝日新聞社)に記載されています。Amazonでは中古品しかないようなので、興味があれば図書館で借りるといいかも・・というより、糖尿病のあなたには是非、読んでいただきたいです。医学文献ではなく、とても読みやすい本なので、特に1型糖尿病の患者さんは興味が湧くと思います。
栄養失調で死ぬか?それとも糖尿病で死ぬか?
当時、もしあなたが重篤な糖尿病と宣告された場合、最悪、この選択肢しかなかったそうです。糖尿病と診断されれば、「死」を宣告されることと同じだったそうな。「インスリンの発見(アマゾンへ移動します)」によると体重が18kgで亡くなった少年もいたらしい。恐らく1型糖尿病の患者さんだと思います。糖尿病で犠牲になった方にご冥福を申し上げるとともに、今の医学は飛躍的に進歩したことに感謝。
そして、、嬉しいことに現在は、「糖尿病の診断」=「死」ではなくなりました。先生の言うことを聞いて、面倒ですけどインスリン注射であれ、経口薬であれ、食事療法、運動療法などをしていれば、普通に長生きできる時代になっている。そりゃ、合併症の不安はありますけど、そこそこの治療さえしていれば、長生きできるんです。そりゃ低血糖やシックディなど、対処にこまる事もしばしばありますけど。でも、100年前の糖尿病患者さんから見たら、今の糖尿病治療はうらやましい限りではないでしょうか。長生きしよう!そこそこの治療で!