この記事は、海外のCGMについての続きの記事になります。主に1型糖尿病患者さん対象の記事です。導入当初は見事に下がったHbA1c。だけど、年々、HbA1cは悪化し、9年後立ってHbA1cは8.7%まで上昇。いったいなぜ、上がり続けたのか?
カーボカウント、追加打ち、ベーサルの変更など
毎年、徐々に上がり続けたHbA1c。なんとか、歯止めをかけようと、いろいろなことにチャレンジしました。導入当初からカーボカウントを覚え、追加打ちなどで、1年目、2年目は良好なHbA1c(平均で5.5%から6.5%以内)。だけど、その後は上がり続けました。なので、ベーサルを3段階(通常の単位、1.2倍の単位、1.8倍の単位)にわけ、血糖の状況を見ながらベーサルを変更。だけど、下がらない・・
注射部位にも注目
普段はローテンションしながら、おなか中心に挿入しました。それは、経験上、おなかが一番、インスリンの効きが安定していたから。だけど、上がり続けるHbA1c。一時は針メーカーであるベクトンアンドディッキンソン(海外のサイト)のインスリン注射部位を参考にしました。
二の腕の裏にも挿入してみたりしました。だけど、下がらず上がり続けました。ふともも、という選択肢もありましたが、僕はこのふともも注射が嫌です。なぜか?インスリンの効きにムラがあり、激しい低血糖になったり、激しい高血糖になる頻度が多いからでした。僕の場合。
運動も始めました
当時、イギリスで在学しており、学校が持っているジムで水泳を始めました。もちろん、1型糖尿病の血糖値にはあまり効果がないと言われる運動。だけど、試してみました。そして結果は、やはりダメでした。HbA1cは毎年、徐々に徐々に上昇。いったいなぜなんだろう?
エビデンスも探しました
エビデンスという用語をご存知ない方は治療で信用できる本とは何か?をご覧ください。当時、ラッキーなことに在学中であったため、大学の図書館の検索サイトを使って、いろいろな医学文献を探しました。それこそ、死にもの狂いで。友人の医師にも頼んでみました。だけど、ないんです。インスリンポンプでHbA1cが上がった例の文献が。そしてどうやって下げればいいのか?そういう文献がないのです。途方に暮れました。いったい、どうやってポンプを使いながらHbA1cを下げればいいのかと・・・
僕の見解として
なぜHbA1cは下がらないのか?僕なりにいろいろな仮説を立てました。単一製剤(超速効型)のみの使用だからか?それとも注入深度が固定されているからなのか?注射部位か?当時、不眠も重なっていたので、不眠の影響なのか?歯科治療の影響もあるのか?とにかくいろいろな仮説を立てました。
だけど、今の結論とは、「インスリンポンプに体が慣れてしまって、インスリンが効かなくなった」。あまりに抽象的な結論であり、正直合っているかすらわかりません。だけど、HbA1cは上がり続けたということ、その事実がこのような結論を導きだしました。もちろん、インスリンポンプだけが原因ではないかもしれません。
そして、最新のデバイス、例えばインスリンポンプやCGM付きのポンプ、が血糖を下げる上で有効かどうか?これは長い年月を経て、経過を見る必要があると感じました。僕もポンプ導入当初は、バンザーイというくらいHbA1cは下がりました。だけど、9年経った今、HbA1cは8.7%。ネット検索すると、インスリンポンプのメリットの記事ばかりが多いように感じます。
たしかに、ポンプは人前で注射する手間はないし、ベーサルの調整も自由自在、メリットは多いと思います。僕も愛用者でしたから知ってます。だけど、僕の場合、HbA1cが下がらない以上、インスリンポンプの出番は終わった、そう思い、泣く泣く手放しました。今、外して1ヶ月ちょっとが経ちます。今後のHbA1cの推移に注目してみたいと思ってます。
今回の記事も長くてすいません。お読みいただきありがとうございます。続きの記事は最新インスリンポンプでも下がらない・・に続く
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