インスリンポンプを外して9ヶ月が経過した。いまや、バイアルからシリンジ注射器でインスリンを吸って注射している。なんとか、HbA1cは7.5%ぐらいを維持しているものの、これ以上、血糖値を下げるにはどうすればいいのだろうか?
インスリンポンプのメリット
ここを考えて見る。たとえば
人前で打たなくていい
そのような生活上の質(Quality of Life)では筆者も恩恵を受けた。このネタは新聞記事にも書いてある。ここから先は筆者の感覚的なものだけど、血糖値の変動幅はインスリン注射に比べるとポンプは狭い気がする。もっと詳しく言えば、インスリン注射なら低血糖と高血糖が頻発する時もあるけど、ポンプならば、この低血糖と高血糖の幅が狭かったように感じる。
40と260 VS 60と240 (mg/dl)
注射 VS インスリンポンプ。低血糖と高血糖である。
HbA1cが5.5%という領域
インスリンポンプの導入時に達成できた数値である。今のインスリン注射では、いまだに到達すらしていない数値である。ぜひとも、到達してみたいとは思う。ただ、インスリン注射で到達しても激しい低血糖に襲われるだろう・・なぜなら、インスリン注射ではポンプに比べて高血糖と低血糖の幅が大きい、そんな感覚だから。ひとえに5.5%といっても夢のような数値に見えてしまう・・だからインスリン注射での筆者の限界は6.5〜7.0%?ぐらいではないだろうか・・
いや、たぶん5.5%という数値を達成している人もいるかもしれない・・だけど低血糖を頻発しているのではないか?と不安に思う。
インスリン注射のメリット
手間だけ考えれば、ポンプに比べるとかなり劣っている。毎食ごと注射でインスリンを打たねばならない。おまけに知らない人と食事をする時は
「どこで打つか?」
これを考えるのも一苦労。おまけに人前で打った日には
「覚せい剤打ってる」
そんなことも言われ始める。いやはや、注射で打つのは面倒である。
ただ、コストは安い。フリードリンクでセルフサービスだけど、コストは安いファミレスのようである。組み立てられていない家具を買ってDIYである。自分の手間暇さえ惜しまなければ、かなりのコストは抑えられる。
インスリンポンプの短所
おまけに注射では24時間インスリンと繋がっているということもない。インスリンポンプは皮膚に挿さりっ放しである。深夜に寝返りでも打てば外れてしまう恐れもある。また、体への挿入部の粘着力が悪ければ簡単に外れしまうこともある。とにかく外れてしまえば終わりである。
そうなると、どうなるか?
持効型インスリンを超速効型インスリンで補っているので、持効型を兼ねる超速効型インスリンは止まる。外れている時間はBasalはストップである。朝起きたら外れてた・・そんなことも筆者は何度か経験した。
この点、持効型インスリンの注射は一度打てば24時間はとりあえず効く。挿しっぱなしということもないから、常に何か身についている不快感はない。一見地味なんだけど、ポンプを外してみると何もついていない解放感は味わえる。注射が有り難く思えてしまう。
インスリンポンプがうまくいってる時
この時はかなり重宝する優れものである。カーボカウントを知って、ボーラスウィザードを使いこなせればHbA1cはかなり下がると思う。筆者の場合、それはもう感動的であった。しかし、インスリンポンプにもデータでしかわからない弱点がある。
ここの見極めのポイントはHbA1cではないだろうか・・そう、あなたのHbA1cである。生活の質の向上だけFOCUSするならばインスリンポンプはかなり優秀な医療機器である。依存させるくらいのパワーを持っている。しかし、生活の利便性だけでは本末顛倒である。
ポンプは本当にあなたのHbA1cを下げられるのか?
HbA1cの推移を数年見ながら疑問符をつけてみる。ここが最大のポイントではないだろうか。だって、そのぐらいのコストを支払うわけだから、特にシビアになった方がいい・・利便性以外にも・・面倒くさいけど・・