このたびの、熊本で起こった震災により被災された皆様ならびにご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
僕は心配だ。熊本にいる糖尿病患者さんのこと。
インスリンはきちんと持っているか。血糖測定器はちゃんと手元にあるか。砂糖やブドウ糖もきちんと持っているか。自分のインスリンの名前は覚えているだろうか。1日何回打っていたか覚えているだろうか。打っていたインスリンの量も覚えているだろうか。
それよりも、なによりも、
あなたはきちんと落ち着けているのか。
僕は震災を経験したことがない。だから、わかったようなことは言えないけれど、今までの経験で知っているのは、ただ一つ。
震災そのものよりも、あなたのパニックの方が恐ろしい
ということだ。だから、目をつぶって、
まずは、深呼吸をして
つぎに、深呼吸をして
最後に、深呼吸をする
いつも通りのことを、いつも通りにやればいい。
よし、スタートだ。
そばに医療者がいるならば、そのヒトに相談するのがベストだ。だが、いない場合も考えて、僕の経験を書いておく。
僕は、その昔、インスリンがほとんどない状態で、4日間を過ごさなければならない状況に置かれた。手元に残っていたのは、1日1回か2回しか打たなかった「N」と呼ばれる中間型のインスリンだけであり、1日3回打っている速効型のインスリンがまったくなかった。名前は「R」だった。今で言うなら、食事のたびに打つ「ノボラピッド」、「ヒューマログ」、「アピドラ」という名前の超速効型インスリンだ。あなたのはどれだろう。
血糖測定器もないならば・・
僕は、そのとき、血糖測定器もなかった。もし、同じようなヒトがいるならば、自分の神経に耳を傾けてほしい。そこにはきっと、なにがしらかのサインがあるはずだ。冷や汗、イライラ、動悸、めまい。いつも感じているアレだ。高血糖のときだって、普段の生活で何か違いを感じていたはずだ。だから、耳をそっと、自分の神経にそばだてる。
低血糖昏睡は絶対に起こさない様に、ギリギリの線で高血糖にならないように。
非常事態の食事の内容と運動
今で言うならば、当時の僕は1日に1回か2回しか打たない持効型のインスリンしか持っていなかった、ことになる。インスリンの名前は「ランタス」、「トレシーバ」、「レベミル」などだ。だから、僕はNだけ(今で言うなら持効型インスリンだけ)をいつも通りに打って、食事はあまり食べずに、4日間を過ごした。
僕は、食事のたびに打つインスリンがないという非常事態だったので、摂取カロリーをギリギリまで抑えた。炭水化物をさけて、たんぱく質や脂質のものを食べた。4日間だけ。高血糖らしき症状を感じたならば、体を動かして、そんなに激しくない運動をした。とりあえず4日間だけ。
僕のこのやり方が、医療的に合っているのかどうかわからない。しかし、このやり方でも4日間は生き延びることができた。
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